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カリフォルニア・アーモンド協会、680万ドルを研究投資し、イノベーションを推進

世界最大のアーモンド生産地である米国カリフォルニア州の約6,800のアーモンド生産農家ならびに100を超える製造加工業者で組織される「カリフォルニア・アーモンド協会」(本拠地:米国カリフォルニア州モデスト)は、アーモンド農場の副産物利用の最適化など、次世代の農業に関する75の独立した研究プロジェクトに680万ドルを投資すると発表しました。

2018/12/10

カリフォルニア・アーモンド協会、680万ドルを研究投資し、イノベーションを推進

世界最大のアーモンド生産地である米国カリフォルニア州の約6,800のアーモンド生産農家ならびに100を超える製造加工業者で組織される「カリフォルニア・アーモンド協会」(本拠地:米国カリフォルニア州モデスト)は、アーモンド農場の副産物利用の最適化など、次世代の農業に関する75の独立した研究プロジェクトに680万ドルを投資すると発表しました。これらの研究プロジェクトには、栽培法の改善だけでなく、カリフォルニアのアーモンド・コミュニティが、世界中のアーモンド愛好者に、安全で栄養が豊富、かつ持続可能な生産物を提供するための研究も含まれています。

この発表は、カリフォルニア州サクラメントで2018年12月4日から6日に開催された「第46回アーモンド・カンファレンス」で行われました。このカンファレンスには、アーモンド農家、加工業者、研究者が参加し、責任あるアーモンド栽培を支えている最新の科学技術について、議論しました。カリフォルニア・アーモンド協会の研究プログラムは、水の持続可能性、花粉を媒介する生物の健康、アーモンドの副産物である果皮、殻、木材の新しい用途など、優先度の高い分野おけるベストプラクティス(最優良事例)に対しても、科学的な根拠を提供しています。

カリフォルニア・アーモンド協会の会長 兼 最高執行責任者であるリチャード・ウェイコットは、次のように述べています。
「イノベーションは持続可能なアーモンド栽培において中核をなしています。家族経営の農家を中心としたアーモンド・コミュニティは子どもや孫、隣人、従業員によりよい環境と未来を約束するため、継続的な改善に努めています。1973年以来、アーモンド農家と加工業者は、アーモンドの健康効果に対する理解を深め、食品の品質と安全性を確保し、環境への影響を最小限に抑えながら農業を発展させていくために、カリフォルニア・アーモンド協会を通して、8,000万ドルを研究に投資してきました」

アーモンドの副産物の新しい用途

アーモンドは木になりますが、アーモンドの粒は果皮に保護されており、殻の中で成長します。これらのアーモンドの副産物を埋立地で廃棄物として処理するのではなく、有効に利用することも農家の重要な仕事です。現在、カリフォルニア州のアーモンド・コミュニティでは、多様な業界が取り組んでいる「廃棄物ゼロ」のアプローチを採用し、これらの副産物を最適に利用するための研究に投資しています。

カリフォルニア・アーモンド協会は、今年、農園内での利用法にとどまらず、付加価値を生み出す利用法にいたるまで、副産物を中心とした9件の研究プロジェクトに120万ドルを投資しています。

カリフォルニア大学デイビス校の研究員で博士課程で学んでいるリディア・パルマは、次のように述べています。 「当大学は同じ目標を共有しているアーモンド・コミュニティとの協力関係を、歓迎しています。カリフォルニア・アーモンド協会は廃棄物ゼロを目標に、すべてを無駄なく利用するための研究に投資しています。カリフォルニア・アーモンド協会と当大学との共同研究では、アーモンドの副産物を価値のある製品に変えるため、新しい技術の開発に注力しています」

現在、以下のアーモンド副産物の研究プロジェクトで成果が見込まれています。


『再生ポリプロピレン- ポリエチレンのバイオ複合材料としての焙炒したアーモンドの殻の活用』(米農務省農業調査局、西部地域研究センター1)
アーモンドの殻はこれまで家畜の寝床に利用されてきました。このプロジェクトでは、焙炒と呼ばれるプロセスによって木炭状の粉末にしたアーモンドの殻を、再生プラスチックの強化剤や着色剤として使用する方法を研究しています。

『アーモンドの副産物を使用したアメリカミズアブ幼虫の飼育』(カリフォルニア大学デイビス校2)
アーモンドの甘い繊維質の果皮は大小さまざまな生物の飼料となり、昆虫を使った新しい農法にも利用できます。このプロジェクトでは、家禽や水産養殖の飼料として使用されるアメリカミズアブの幼虫を、アーモンド果皮で飼育する研究をしています。

『キノコ栽培のケーシング改良材としてのアーモンドの果皮の利用』(米農務省農業調査局、西部地域研究センター3)
糖類を除去した果皮は、従来のキノコ栽培で使用されているピートモスの代替品として利用できます。このプロジェクトでは商用マッシュルームの培地としてのアーモンド果皮の利用について研究していますが、予備段階の結果では吸水率の最適化や収穫量の増加などの成果が得られています。

ジョンソン・ファームズでアーモンド果皮および殻の除去を担当するマイク・カレー氏は、次のように述べています。「新しい方法が開発され、これまで使い捨てと考えられてきた生産物を再利用できれば、これほどすばらしいことはありません。アーモンドの果皮や殻から作られた新しい製品が開発されることにより、消費者を含め、生産から供給に関わる全ての人に大きなメリットがもたらされます」

その他のイノベーションの機会

科学研究への投資は、カリフォルニアのアーモンド・コミュニティを、未来の農場へと成長させるためにも役立っています。例えば、水の持続可能性を向上させるために、農場に精密な灌漑技術を導入して地表の水を地下帯水層に還元しています。また、アーモンドの授粉に不可欠なミツバチの安全を確保するために、農場と養蜂家が緊密に協力し、研究に基づいたベストプラクティスに従っています。また、ハチなどの花粉を運ぶ生物により多くの栄養を供給するために、研究を通じて、牧草地の植栽についても最適な方法の模索が続けられています。

カリフォルニア・アーモンド協会が今年資金を提供する研究プロジェクトには、水とミツバチに関する研究が9件(61万ドル)、ミツバチの健康に関する研究が7件(57万9,000ドル)含まれています。1982年以来、カリフォルニア・アーモンド協会は200以上の水の研究プロジェクトに投資してきましたが、その結果、1ポンドのアーモンドを栽培するために必要な水が過去20年間4で33%も削減されています。また、さまざまな農作物の中でも5、特にミツバチの健康の研究を重視しており、現在までに120のプロジェクトに投資しています。

カリフォルニア・アーモンド協会の研究プロジェクトは、生産したアーモンド1ポンド当たりの評価額によって資金が提供されます。研究アドバイザーとワークグループがアーモンド栽培における重要な課題を検討した後、アーモンド農家と加工業者で構成される委員会により、業界のニーズに戦略的に合致しているか、どのような研究成果が見込めるかなどの判断に基づいて、プロジェクトが選択されます。

カリフォルニア・アーモンド協会の45年間にも及ぶアーモンド栽培と環境の調査の詳細については、http://www.almonds.com/growing-goodを参照ください。

1 Zach McCaffrey他。「Recycled polypropylene-polyethylene torrefied almond shell biocomposites」Journal of Industrial Crops and Products、2018年12月
2 Lydia Palma他「Cultivation of black soldier fly larvae on almond byproducts:impacts of aeration and moisture on larvae growth and composition」Journal of the Science of Food and Agriculture、2018年12月
3 Allison Flynn他「Almond hull byproducts as a casing amendment material in mushroom (Agaricus bisporus) cultivation」Mushroom News(American Mushroom Institute)2018年10月、bit.ly/2TTlM9V
4 カリフォルニア大学、2010年2月。国連食糧農業機関、2012年。カリフォルニア・アーモンド協会、1990~1994年、2000~2014年。
5 Gene Brandi。アメリカ養蜂連盟副会長

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