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アーモンドの摂取は、健康的な食生活とより細いウェストラインに貢献?

カリフォルニア・アーモンド協会の出資により、英国人を対象に実施した新たな研究によると、アーモンドを摂取している人は、摂取していない人に比べて、心血管疾患(CVD)の改善可能な危険因子である腹囲の数値およびBMI(Body Mass Index)指数が低く、食事の質が高いことが分かりました。

2020/7/21

アーモンドの摂取は、健康的な食生活とより細いウェストラインに貢献?

※このプレスリリースは2020年5月16日に米国カリフォルニア州で発表された資料の抄訳版です。

世界最大のアーモンド生産地である米国カリフォルニア州のアーモンド農家・加工業者で組織されるカリフォルニア・アーモンド協会(本拠地:米国カリフォルニア州モデスト)の出資により、英国人を対象に実施した新たな研究によると、アーモンドを摂取している人は、摂取していない人に比べて、心血管疾患(CVD)の改善可能な危険因子である腹囲の数値およびBMI(Body Mass Index)指数が低く、食事の質が高いことが分かりました。この研究は、『European Journal of Nutrition』誌で発表され、アーモンドを摂取している人の食事の質を評価するために、英国の全国食事栄養調査(NDNS 継続プログラム、2008〜2017年)の最新人口データが使用されました2

この研究の目的は、間食としてのアーモンドの摂取とBMI指数、総コレステロール、「悪玉」LDLコレステロールなどのCVDの危険因子との関係の調査でした。4日間にわたる食事記録(目安量)に回答した6,802人の成人(19歳以上)のNDNSデータを使用してクロスセクション分析を行い、間食としてのアーモンドの摂取量を、ホールアーモンド、またはホールアーモンドに加えてミックスナッツに含まれるアーモンドの平均摂取量と定義しました。

アーモンドを摂取していると回答した英国の成人は、平均摂取量は少ない(7.6%がホールアーモンドを摂取していると回答し、その平均摂取量は1日あたり5g)ものの、食事の質においてアーモンドを摂取していない人よりも、摂取していると回答した人の方がより質の高い食生活をしていることがわかりました。また、アーモンドを摂取している人は、タンパク質、総脂肪、一価不飽和脂肪酸、オメガ3およびオメガ6、脂肪、食物繊維、葉酸、ビタミンC、ビタミンE、カリウム、マグネシウム、リン、鉄をより多く摂取し、一方でトランス脂肪酸、総炭水化物、糖類、ナトリウムの摂取量は少ないことがわかりました。このような結果から、より健康的な英国の成人の食事には、ホールアーモンドが含まれている可能性が高いことがわかります。

また、この研究を通して、アーモンドを摂取している人はBMI指数と腹囲の数値も低いことが分かりました。ホールアーモンドのみを摂取したグループのBMI指数は0.8 kg/m²と低く、腹囲は2.1cmも少ない結果となりました。他のCVDリスク要因に関しては、アーモンドを摂取している人と摂取していない人との間に差異はありませんでした。

過去の研究においては、アーモンドを摂取している人の方が摂取していない人に比べ、総コレステロールとLDLコレステロールが低いことが確認されています。しかし、今回の研究では1日の摂取量がアーモンドの推奨摂取量(28g)をはるかに下回っていたため、 LDLコレステロールの低下に関しては、臨床的に有意な効果が示されませんでした。

英国のコンサルタント兼栄養士であるジュリエット・ケロー氏は、次のように述べています。「この研究によって、食物繊維と不飽和脂肪酸を増やして食事の栄養価を高めるためには、手のひら一杯分(28g)のアーモンドの摂取が効果的であるとする根拠が増しました。また、アーモンドを摂取している人は、腹囲の数値も低いことが示されました。身体中央部の重量が軽いことは、心臓病のリスク低下と関係しています。」

人口に基づく調査データの分析はこの研究が2番目となりますが、アーモンドの摂取が食事の質の改善に関わっていることが示唆されました。米国国民健康栄養調査(NHANES)のデータを使用した2016年の調査では、アーモンドの摂取と食事の質などの健康に関する測定値の改善との間に同様の関連性があることが確認されています3

アーモンドには、食物繊維、マグネシウム、カリウム、ビタミンEなど、心臓によいといわれる栄養素が含まれています。

研究の概要

方法

  • この研究では、2008年から2017年の英国の全国食事栄養調査(NDNS)継続プログラムのデータを使用し、英国の成人における心血管疾患(CVD)の危険因子と食事の質における間食としてのアーモンドの摂取との関係を調査しました (NDNSは、英国の一般家庭の1.5歳以上を対象として、食料の消費、栄養素の摂取および栄養状態に関する詳細かつ定量的な情報を収集することを目的とした継続的なクロスセクション調査です)。
  • 4日間にわたる食事記録(目安量)に回答した6,802人の成人(19歳以上)の2008年から2017年のNDNSデータを使用して、クロスセクション分析を行いました。間食としてのアーモンドの摂取量は1)アーモンドのみ、2)アーモンドのみとミックスナッツのアーモンドの平均摂取量と定義しました。
  • 食事の質の評価には、地中海ダイエットスコア(MDS)とヘルシーダイエットスコア(HDS)を調整して使用しました。

結果

  • アーモンドを摂取している英国の成人は、アーモンドの平均摂取量が少ない(7.6%がホールアーモンドを摂取し、その摂取量の中央値は1日あたり5g)ものの、アーモンドを摂取している人は摂取していない人よりも食事の質が高いと評価されました(調整したMDSとHDSスコアの両方、P <0.001)。
  • アーモンドを摂取している人はタンパク質、総脂肪、一価不飽和脂肪酸、オメガ3およびオメガ6脂肪、繊維、葉酸、ビタミンC、ビタミンE、カリウム、マグネシウム、リン、鉄をより多く摂取していました。一方で、トランス脂肪酸、総炭水化物、糖類、ナトリウムの摂取量はアーモンドを摂取している人の方が少ないことも確認されました。
  • アーモンドを摂取する人は摂取しない人よりBMI指数が0.8 kg/m²(p = 0.010)も低く、腹囲は2.1cm(p=0.007)も少ないなど有意な差がありました。
  • 回帰分析では、その他のCVD危険因子(血中脂質や血圧など)についてはアーモンドを摂取する人と摂取しない人の間に差はありませんでした。

本研究の限界

この研究は関連性に関するものであり、原因と結果を示すものではありません。自己申告の食事の記録を使用しましたが、それには固有の問題があります。2016年の米国NHANESの分析では、アーモンドを摂取すると回答した人は身体活動レベルも高かったことが報告されています。今回、身体活動レベルはNDNSのデータベースから入手できませんでしたが、アーモンドを摂取している人の身体活動レベルは、このグループで観察された低いBMI指数と腹囲の数値の一因を担っている可能性があります。

結論

この研究は、アーモンドを摂取する人は摂取しない人に比べて、食事全般において健康であり、BMI数値と腹囲の数値も低くなることを示唆しています。アーモンドの摂取は食生活のパターンを改善し、循環器系の健康促進に役立つ可能性があります。


1 「ナッツの日」は、日本ナッツ協会により7(ナ)と22(ッツ)の語呂合わせから制定されました。
2 Dikariyanto, V., Berry, S.E., Francis, L. et al. Whole almond consumption is associated with better diet quality and cardiovascular disease risk factors in the UK adult population: National Diet and Nutrition Survey (NDNS) 2008–2017. Eur J Nutr (2020). https://doi.org/10.1007/s00394-020-02270-9.
3 O'Neil, C.E., T.A. Nicklas, V.L. Fulgoni III. 2016. Almond consumption is associated with better nutrient intake, nutrient adequacy, and diet quality in adults: National Health and Nutrition Examination Survey 2001-2010 Food And Nutrition Sciences 7:504-515.

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