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毎日のアーモンド摂取が糖尿病の危険因子の改善に貢献することを示唆する新しい研究結果を発表

過体重および肥満のアジア系インド人の成人を対象にした調査で、アーモンド摂取後に、膵臓機能、インスリン抵抗性、血糖値、体重が改善

 

2023/2/21

世界最大のアーモンド生産地である米国カリフォルニア州の約7,600のアーモンド生産農家ならびに100を超える製造加工業者で組織される「カリフォルニア・アーモンド協会」(本拠地:米国カリフォルニア州モデスト)は、12週間続けて毎日アーモンドを摂取することで、インスリン抵抗性の減少、膵臓機能の向上、また、血糖値コントロールの改善を示す新しい研究結果1を発表しました。また、アーモンドを摂取した介入群では、調査期間中に体重、体格指数(BMI)、ウェスト回りの有意な減少が見られたほか、総コレステロールも低下しました。

過体重と糖尿病は世界中で見られる健康課題で、この2つの疾患は、多くの場合、密接に関連しています。本研究では、アーモンドの摂取がこの2つの健康課題の解決につながる可能性が示唆されており、アーモンドを摂取するだけで健康増進に大きくつながる可能性があることが明らかになりました。

本研究は、インドのチェンナイにあるマドラス糖尿病研究財団の理事長兼糖尿病研究主任であるヴィスワナータン・モハン(Viswanathan Mohan)博士(医学士、医学博士、科学博士)が主導し、その他に、同財団副所長のR. M. アンジャナ(R. M. Anjana)博士(医学士、医学博士)、パデュー大学の栄養学と公衆衛生学で著名なリチャード・マテス(Richard Mattes)教授(医学士、公衆衛生学修士、管理栄養士)、ルビーラ・イ・ビルジーリ大学の栄養学および食品科学のジョーディ・サラス(Jordi Salas)教授(医学士、医学博士)、ハーバード大学を含むいくつかの学校で疫学と栄養学を専門とするウォルター・ウィレット(Walter Willett)教授(医学士、医学博士)が参加しました。研究者たちは、インドのチェンナイ市に住む過体重および肥満のアジア系インド人の成人を対象に、12週間、毎日43g(1.5オンス)のホールアーモンドを摂取してもらい、インスリン感受性、インスリン抵抗性、血清脂質マーカーに与える影響を評価しました。

モハン博士は、次のように述べています。「本研究において、アーモンドを摂取した介入群では、体重と血糖値の両方に改善が見られました。肥満は世界中で見られる健康課題であり、2型糖尿病などの慢性疾患のリスクを高めることが分かっています。また、肥満は糖尿病と密接に関連した複雑な課題であることも知られています。今回の研究で、他のスナックの代わりにアーモンドを摂取することで、体重管理や糖尿病の負担を軽減できることが明らかになりました。」

本研究の論文の筆頭著者であるマドラス大学のガヤトリ・ラジャゴパル(Gayathri Rajagopal)博士研究員は、本研究で見られた膵臓の健康状態の改善についても同じように高い関心を示しており、次のように述べています。「アーモンドを摂取する人は、インスリンを産生する膵臓の細胞であるβ細胞の機能が向上していることが分かりました。これは、糖尿病予備軍にとって重要なことで、アーモンドを定期的に摂取することで糖尿病の発症を遅らせることができる可能性を示唆しています。さらに、アーモンドは満腹感を高めるため、2型糖尿病の素因を持つ人々にとって健康的なスナックになることも分かっています。」

研究者たちは、アーモンド摂取の心臓の健康への恩恵も確認しています。アーモンドを摂取した介入群では、肥満と糖尿病の管理に非常に重要な総コレステロールとトリグリセリドのレベルが良好でした。アーモンドのようなナッツ類は、心臓血管系疾患のリスクも減らすことができる健康的な食品です。証明はされていませんが、アーモンドのようなナッツ類を1日43g摂取すると、心臓病のリスクを減らすことができるという科学的根拠が示唆されています。手のひら一杯分のアーモンド(28g)には、13gの不飽和脂肪とわずか1gの飽和脂肪が含まれています。

アンジャナ博士は、次のように述べています。「私たちのチームは、日々の食事に多様な食品、特に植物性食品を取り入れ、揚げ物のスナックを減らすように患者に助言しています。手のひら一杯分のアーモンド(28g)には、6gの植物性タンパク質が含まれています。本研究で見られたコレステロールとトリグリセリドの改善は、良質な脂肪酸プロファイルと、高いビタミンE含有量で知られるアーモンドの特徴に合致するものです。さらに、体重、膵臓機能の改善、インスリン抵抗性の低下、血糖値の改善は、アーモンドが心代謝系の健康に恩恵があることを示唆しています。」

研究概要
本研究では、25歳から65歳までの、BMIが23kg/m2以上のアジア系インド人男女352名(介入群:174名、対照群:178名)を対象とし、無作為化比較試験を実施しました。世界保健機関(WHO)の西太平洋地域のBMIガイドラインでは、BMIが23kg/m2以上は過体重、25kg/m2以上は肥満とされています。本研究では、中心性肥満、脂質異常症(コレステロールなどの血中脂質のバランスが崩れていること)、ならびに糖尿病、正常血圧および高血圧の家族歴を持ち、午前中に定期的にスナックを摂取している人を対象としました。
各被験者には、体重、血圧、グルコース、インスリン、コレステロール、β細胞機能を測定してもらいました。サブサンプリングとして126名の被験者には、14日間連続で、持続血糖測定装置(CGM)を装着してもらいました。

研究結果
アーモンドを摂取した介入群では、β細胞の機能が改善し、インスリン抵抗性が減少し、総コレステロールが低下しました。さらに、これらの被験者では12週間にわたり、体重、BMI、ウエスト周囲径、グルコース、トリグリセリドの有意な減少がみられました。 これらの心臓代謝系の利点に加え、アーモンドの介入群では、炭水化物の消費が13%減り、脂肪燃焼による消費カロリーが増え、タンパク質、一価不飽和脂肪、食物繊維の摂取量が増加しました。CGMを装着しているサブサンプリングの対象者においては、アーモンド介入群では対照群と比較して血糖値反応が良好なことが示されました。

本研究の限界は、過体重および肥満のアジア系インド人の成人のみを対象としていることにあります。

アーモンド(28g)には、食物繊維(4g、DV14%)と、15の必須栄養素(マグネシウム(77mg、DV20%)、カリウム(210mg、DV4%)、ビタミンE(7.27mg、DV50%)など)が含まれており、糖尿病の管理と心臓の健康のために最適な栄養豊富なスナックです。

1 :「過体重および肥満のアジア系インド人成人を対象にした、インスリン感受性および血清脂質に対するアーモンド摂取の効果」。無作為化比較試験。Gayathri, R.、Abirami, K.、Kalpana, N.、Manasa, V. S.、Sudha, V.、Shobana, S.、Jeevan, R. G.、Kavitha, V.、Parkavi, K.、Anjana, R. M.、Unnikrishnan, R.、Gokulakrishnan, K.、Beatrice, D. A.、Krishnaswamy, K.、Pradeepa, R.、Mattes, R.、Salas-Salvado, J.、Willett, W.、およびMohan, V.。Frontiers in Nutrition、2023年。DOI: 10.3389/fnut.2022.1055923


カリフォルニア・アーモンド協会について
高品質なカリフォルニア・アーモンドは、品種や栽培技術の改良のもと生産されています。数世代にわたる家族経営が多数を占めるアーモンド農家約7,600と約100の加工業者を代表するカリフォルニア・アーモンド協会は、戦略的な市場開発におけるリーダーシップや革新的な研究を通して、業界のベストプラクティスの導入を促進することにより、自然で健全な品質のアーモンドを推進しています。1950年に設立され、カリフォルニア州モデストに本拠を置く当協会は、米国農務省の監督下で、生産者により制定されたマーケティング・オーダーを管理する非営利組織です。協会の活動およびアーモンドに関する詳細は、公式WEBサイトおよび、TwitterInstagramをご覧ください。