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カリフォルニア・アーモンドの特徴

カリフォルニア産のアーモンド(天然の殻粒)は、米国農務省(USDA)の等級基準および販売契約仕様に従って販売されます。カリフォルニア・アーモンドの多くの特徴について理解することは、アーモンドの選択に役立ちます。

物理的な属性

アーモンドの品質の基本的な物理的要素は、等級、品種、サイズ、仕様です。これらの特徴に関する詳細は、eラーニングコース「適切なタイプを適切に使用する」を受講してください。

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『米国農務省基準(殻付きアーモンド)』
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『米国農務省基準(殻なしアーモンド)』

アーモンドの栄養成分と自然な個体差

アーモンドには、質の高い栄養素が含まれており、タンパク質のような重要な主要栄養素(1日分6g)や一価不飽和脂肪酸(1日分8.9g)だけでなく、良質な食物繊維源でもあります。また、微量栄養素であるビタミンEやミネラルマグネシウムにおいても優れた摂取源であり、1日分では75mgのカルシウムも含まれています。カリフォルニア・アーモンドの成分データは、米国農務省国立栄養データベース(USDA National Nutrient Database)から閲覧できます。天然(無加工)のアーモンド、様々な形状のアーモンド、そしてローストされたアーモンドに関する情報を提供している同データセットは、カリフォルニア産アーモンドの包括的抽出サンプルです。米国農務省による天然のアーモンドの栄養値は、数年間にわたり、カリフォルニアで栽培された主要なアーモンド9種の70以上のサンプルに基づく平均値です。

現行の調査では、カリフォルニア・アーモンドの主要品種においては、栄養成分において大きな違いはないことが示されています。アーモンドは、天然の食品であるため、栄養成分は、同じ品種でもサンプルにより異なる場合があります。通常は、品種よりも栽培条件(地域、収穫年度、生産要素)が栄養成分に大きく影響します。

『Journal of Food Composition and Analysis』で公開された研究では、主要7品種(ビュート、カーメル、フリッツ、ミッション、モントレー、ノンパレル、ソノラ)の栄養成分を比較しました。サンプルのアーモンドは、3つの別々の収穫年に、カリフォルニアの北部、中部および南部の栽培地域の農園で収集されました。アーモンドサンプル内の主要栄養素、微量栄養素、植物ステロールの包括的分析は、認定された実験室で行われました。同研究によると、これらのカリフォルニア・アーモンドの品種は、非常によく似た主要栄養素および微量栄養素の情報を持っていることが明らかになりました。例えば、総脂質および一不飽和脂肪酸の包含量は、すべての品種において同じでした。

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アーモンドの栄養成分
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カリフォルニア・アーモンドの栄養成分における自然な個体差

スイートアーモンドとビターアーモンド

カリフォルニアの商業用農園で栽培されているアーモンドは、「スイート」種のみです。アーモンドの品種が甘いか苦いかは、農園の親木の遺伝的特徴によります。

アーモンドは、スイート(苦味がない)、わずかにビター(または準ビター)、ビターの3つの味の表現型によって特徴付けられます。通常、アミグダリンとして知られる自然発生成分が、アーモンドの苦味の原因となります。アミグダリンは、アーモンドの粒やアンズのような核果の種の中に見られます。ビターアーモンドには、高用量のアミグダリン(3〜5%)が含まれており、スイート種(アミグダリン0.05%未満)、また、わずかにビター種の(アミグダリン0.2%未満)アーモンドからは微量のみ検出されています。ビター種は、主に、アーモンドペーストおよびアーモンド味のエッセンスの生産に使用されます。

アミグダリンは分解され、糖質(グルコース)とベンズアルデヒド、シアン化水素を放出します。シアン化水素およびベンズアルデヒドには、似たような香りがあり、アーモンドの粒にある苦味の原因となります。毒性のないベンズアルデヒドは、ビター種から抽出され、「アーモンドオイル」またはアーモンドエキスとして知られる重要な香料です。

甘いおよび僅かに苦いアーモンドの品種をより良く分類するため、含有されているアミグダリンの量を正確に測定できることが重要です。最近まで、カリフォルニアの商業用アーモンドにおける品種で、アミグダリン量の微量の違いが認められるという情報は僅かでした。

カリフォルニア大学デービス校で実施された研究で、研究者は、アーモンドのアミグダリン量について分析するための非常に精度が高い手法を開発しました。彼らは、この手法を利用して、カリフォルニア産アーモンドの商業用アーモンド10品種(スイート)におけるアミグダリン量を比較し、一部の品種においてアミグダリン量がわずかに高い(フリッツやアルドリッチなど)ことを発見しました。これらの品種内のアミグダリン値が一貫して高いかを明らかにするには、様々な年に収穫されたアーモンドに対して、さらに調査する必要があります。

感覚的な属性

アーモンドの感覚的特徴は、一連の属性によって説明することができます。特有の食感属性には、ざらざら感、カリカリ感、固さ、微粒子の大きさ、粘着性および付着性、サクサク感や、もちもちとした食感が含まれる場合があります。典型的なアーモンドの香り・味の属性には、全体的な味の濃さ、フルーティーさ、マジパン(ベンズアルデヒド)、ダークチョコレート、ナッツの味わい、ウッディーな味わい、ほっこり感や土臭さが含まれる場合があります。

感覚的な語彙とは、食品の属性を表現し、文書化するために使用できる用語のようなものです。非常に単純な言葉で、アーモンドの表面、噛んでいる途中の様々な段階、また、噛んだ後に残存する特徴について、食感が評価されます。香りは、噛む前にアーモンドを嗅ぐことで評価されます。味は、ナッツを噛んだ時に口内に広がる味のインパクトによって評価されます。

 
食感

ミネソタ大学の研究では、研究者が5種類のアーモンドの形状(天然の粒、ドライローストされた粒、皮なしの粒、皮なし縦切り、および天然の薄切り)で、食感の特徴を評価しました。アーモンドの食感に関して明らかになったことの一部が下記に記載されています。

天然かつ無加工のホールアーモンドは、カリカリ感、固さ、粘着性が高く、ドライローストされたアーモンドは通常、固めで、パリパリ感とカリカリ感が強く、粗めの粒子が生成されます。自然のアーモンドは皮なしアーモンドより固く、サクサク感とカリカリ感が高めです。ホールのアーモンドに比べ、スライスおよびスリバードのは固さ、カリカリ感および粘着性や歯の被せ物への影響が無く、消化の際に、あまり噛んだり飲み込んだりする必要がありません。スリバードに比べ、スライスは粉っぽく、表面がざらざらで粒子が粗いのが特徴です。また、比較的固さ、湿っぽさが少なく、粒と脂質フィルムの粘着性が低めです。スライスは、より細かい断片に分かれており、消化の際にスリバードよりも、噛んだり飲み込んだりする必要がありません。

アーモンドの食感は、湿度と密接に関係しています。食感の官能検査では、湿度が上がるほど、粒の湿度と粘着性が増えることが示されました。サクサク感、固さ、カリカリ感、歯応えの持続性、および微粒子の大きさは、含水量が増えるほど減少します。消費者は、サクサク感とカリカリ感、歯応えの持続性を好みます。

また、食感は、圧縮や曲げ試験を用いて器具によって計測することができます。食感の測定値と湿度に関する詳細は、こちらをご覧ください。

 

香りと味

揮発性成分は、食品の香りと味の特性の要因です。アーモンドの語彙研究によって、生のアーモンドの香り・味の特性の濃さは、0から5の間と比較的低く、マイルドな味の食品であることが示されました。評価された主なカリフォルニア産アーモンドの品種は、香り・味の特性において固有のばらつき範囲を示しています。このアーモンドにおけるばらつきは、収穫年度や栽培地域によっても影響される可能性があります。

生、熟成、ローストされたアーモンドには様々な揮発性成分が存在します。しかし、生のアーモンドの主な味成分はベンズアルデヒドです。生のアーモンドのその他の揮発性成分には、短鎖分岐アルコール、アルデヒド、およびケトンが含まれます。ベンズアルデヒドは、アミグダリンの加水分解によって放出された分解化合物で(下記よりPDFをダウンロードできます)、アーモンドの苦味を構成する化合物です。カリフォルニアのアーモンドは、微量のアミグダリンのみを含む甘い品種です。ローストによって、ベンズアルデヒドの濃度が減少し、それが官能評価で知覚されない可能性があります。

ローストされたアーモンドの揮発性物質は、褐変反応(メイラード反応としても知られる)中に生成されたピラジンや分岐アルデヒドおよびケトンなどの揮発成分が大半です。ローストの度合いは、ローストされたアーモンドの味の濃さを左右します。

カリフォルニア大学デービス校の研究者は、生およびローストされたアーモンド中の揮発性成分を評価しました(下記よりPDFをダウンロードできます)。

 

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Impact of almond form and moisture content on texture attributes and acceptability, ABC publication overview, July 2014.
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Almond sensory evaluation procedure, Heymann, et al., July 2014.
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Volatiles in raw and roasted almonds, ABC publication overview, July 2014.