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肌の健康に関する研究が、アーモンドの摂取が肌のバリア機能の強化を示唆

アーモンドの摂取が日常の紫外線対策スキンケアに仲間入り?新しい研究では、アーモンドの摂取がUVB(紫外線B波)から肌の防御をサポートすることを示唆

2022/8/31

間食が肌のバリア機能をサポート

You are what you eat (私たちの体は食事で作られている)の格言のように、食事が肌に与える影響について、科学者たちはより研究を深めています。身体の中の最大の臓器である皮膚は、外界から身体を守るための最初で最後の砦です。

 

カリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)の最近の研究1では、アーモンドの日常的な摂取は、日焼け止めの使用など紫外線から肌を守るための毎日のスキンケアを肌を内側からサポートする可能性が示唆されています。

UVB(紫外線B波)に対して肌のバリア機能向上におけるアーモンドの役割

カリフォルニア大学ロサンゼルス校主席研究員のショウピン・リー(Zhaoping Li)博士と彼女のチームが発見した研究結果をご紹介します。

研究の被験者:
「赤くなりやすく、日焼けしにくい」、「少しだけ赤くなり、日焼けしやすい」に当てはまる、正確にはフィッツパトリック・スキンタイプII、III、IVに分類される、18〜45歳のアジア人の女性29名が参加しました。

研究方法:
調査は12週間にわたり、各被験者は無作為に以下の2つのグループに分けられました

  • アーモンドを間食する介入群:アーモンド(42グラム、246カロリー)を毎日摂取
  • プレッツェルを間食する対象群:毎日プレッツェル(51グラム、200カロリー)を毎日摂取

研究チームは、試験開始時と終了時に各被験者のMED(最小紅斑量)を測定することで、日焼けを引き起こすことで知られるUVBに対する肌の反応を測定しました。MEDとは、皮膚の特定の部位にわずかな発赤や紅斑を生じさせるのに必要な最小のUVB照射量を指します。本試験では、日射量の少ない腕の内側の皮膚を測定場所としました。紅斑は日焼けによる肌のダメージの最初の兆候であることから、MEDが増加すると、UVBに対する保護力(または抵抗力)が向上することになります。

研究結果:
試験開始時に両群間でMEDに差はありませんでした。調査開始から12週間後には以下が見受けられました。

  • アーモンドを間食する介入群では、プレッツェルを間食する対象群と比較して、MEDの増加(~20%)、および最小紅斑に達するまでの曝露時間の増加が見られました。プレッツェル対象群では、MEDおよび曝露時間に統計的に有意な変化は認められませんでした。 
  • 肌のきめ、皮脂や水分量については、経時的またはグループ間で有意な差は見られませんでした。

この臨床研究により、アーモンドの摂取が肌を内側から助け、日焼け止めの使用などのUVBから肌を守るための日常のスキンケアをサポートする一つの方法になり得ることがわかりました。

アーモンドと肌の健康の未来
これまでの研究では、アーモンドの摂取がシワや肌の色素沈着にどのような影響を与えるか調査が行われてきました。今回のUVBの影響に関する研究は、肌の健康とアーモンドに関する研究の幅を広げるものであり、この興味深い分野の調査のためにさらなる研究が計画されています。

なぜアーモンドは肌の味方なのか
アーモンドは多くの栄養素を含む食品であり、そのうちのいくつかは肌の健康にも関連しています。本研究で見られた、アーモンドの介入により紫外線耐性が向上したメカニズムについては現在のところ不明ですが、研究者らはアーモンドに含まれる一価不飽和脂肪酸、多価不飽和脂肪酸、ビタミンE、ケルセチン(フラボノイドの一種)、その他のフェノール化合物やポリフェノール化合物などの良質な栄養素が、UVBに対する防御力の向上につながっているのではないかと推測しています。

一握りのアーモンド(28g)には、肌にやさしい栄養素が以下の通り含まれています。

  • ビタミンE1日の推奨摂取量50%*:汚染、太陽からの紫外線、タバコの煙、その他の環境および内因性要因によるフリーラジカルの有害な影響から細胞を保護する抗酸化物質
  • 銅の1日の推奨摂取量32%:肌や髪の色素沈着の役割 
  • リボフラビンの1日の推奨摂取量25%と、リボフラビンおよびナイアシンの1日摂取量6%:正常な皮膚の維持に貢献するビタミンB
  • 亜鉛の1日の推奨摂取量8%:健康な肌の維持に貢献
  • リノール酸 3.5g:肌の乾燥を防ぐ必須脂肪酸

*日本では、成人の1日に必要なビタミンE摂取目安量(成人男性6.5mg、成人女性6.0mg)(注1)を充分に賄えます。(注1) 厚生労働省「日本人の食事摂取基準2020年版」より

私たちの研究チームは、アーモンドのような特定の食品が、健康的な肌の維持や、肌のバリア機能の強化に役立つ可能性に関心を持っています。
ショウピン・リー(Zhaoping Li)博士

研究内容:
本研究では、スキンタイプが「赤くなりやすく、日焼けしにくい」、「少しだけ赤くなり、日焼けしやすい」に当てはまる、正確にはフィッツパトリック・スキンタイプII、III、IVに分類される18〜45歳のアジア人の若い女性が参加しました。各被験者は、無作為にアーモンドを間食する介入群とプレッツェルを間食する対象群の2つのグループに分けられ、各グループは12週間の調査期間中に毎日、アーモンド(42g、246カロリー)または対象スナックのプレッツェル(51g、200カロリー)を摂取しました。

研究チームは、試験開始時と終了時に各被験者のMED(最小紅斑量)を測定することで、日焼けを引き起こすことで知られるUVBに対する肌の反応を測定しました。MEDとは、皮膚の特定の部位にわずかな発赤や紅斑を生じさせるのに必要な最小のUVB照射量を指します。本試験では、日射量の少ない腕の内側の皮膚を測定場所としました。紅斑は日焼けによる肌のダメージの最初の兆候であることから、MEDが増加すると、UVBに対する保護力(または抵抗力)が向上することになります。

研究結果:

  • アーモンドを摂取した介入群では、最終調査時(12週間後)におけるMEDおよび紅斑を誘発するのに必要な照射時間が、調査開始時(ベースライン)と比較して、有意に増加(p=.006)しました。さらに、アーモンドを摂取した介入群とプレッツェルを摂取した対象群では、MEDの増加量が統計的に異なっていました。
  • アーモンドを摂取した介入群では、ベースラインから12週目までの間に、MED415±64から487±5918.7±19.2%、p+0.006)に増加したのに対し、プレッツェルを摂取した対象群の女性では415±67から421±671.8±11.1%)に増加しました。また、最小の紅斑(赤み)に到達するまでの照射時間に関しても、アーモンドを摂取した介入群(160±23から187±2517.5±22.2%)に増加)では、プレッツェルを摂取した対象群(165±27から166±251.7±14%)に増加)に比べて有意に増加しました(p=0.026)。
  • ベースライン時には両群ともMEDに有意な差がなかったことから、MEDの変化はアーモンドの介入によるものであることがわかりました。アーモンドを摂取した介入群におけるMEDと照射量の増加は、12週間後では、プレッツェルを摂取した対象群と比較して、紅斑(赤み)を誘発するのに、より多くのUVB照射が必要であったことを意味します。
  • 皮膚科医による、紅斑やアラガン肌荒れの評価では、両グループ間に有意な差は見られませんでした。
  • キュートメーター測定による、メラニン指数、皮脂水分量、紅斑には、有意な差は見られませんでした。
  • アーモンドの介入によって紫外線耐性が向上したメカニズムについては、現在のところ不明です。研究者らは、アーモンドに含まれる栄養素(一価不飽和脂肪酸、多価不飽和脂肪酸、ビタミンE、ケルセチン(フラボノイドの一種)、その他のフェノール化合物やポリフェノール化合物)が、ヒトの皮膚の抗酸化力や抗炎症力を向上させ、それがUVBに対する防御力の向上につながっているのではないかと推測しています。

研究の限界:
特定の照射量および照射時間においてUVB耐性があると判断された被験者を除外したため、予定よりも被験者の数が少なくなりました。また、本研究では、一般的な太陽光照射やUVA(紫外線A波)照射の効果は調査しておらず、UVB照射に対する肌の防御効果に限定しています。加えて、本研究では若い人のみを対象としており、中等度から重度の光老化肌を持つ高齢者や、他の肌タイプや民族に対するアーモンド摂取の効果については、さらなる研究が必要です。

結論
アジア人の若い女性が、12週間にわたりアーモンドを1日1回(42グラム)間食したところ、UVB耐性が向上しました。この結果は、アーモンドを食生活に取り入れることで、UVBに対する皮膚内部のバリア機能が向上することを示唆しています。